[ 粉体塗装が可能な被塗物の条件 ]

粉体塗装は最終工程で150〜250℃の高温焼き付け処理を行います。そのため被塗物の素材がこの高温に耐える必要があります。
従って被塗物の素材としては主に金属類となります。しかし特殊な塗装方法の利用により、陶器やガラスなどの無機物や高温耐熱性を有するプラスチックスなどにも粉体塗装は可能です。
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粉体塗装には、主として静電粉体塗装法と流動浸漬法の2種類があります。その一方の静電粉体塗装法を行う場合には、被塗物の素材が一定値以上の通電性を有する必要があります。金属類であれば問題はありませんが、その他の素材の場合には注意が必要です。(流動浸漬法の場合は問題ありません)

粉体塗装は各工程とも専用の塗装設備を使用して行います。そのため使用する塗装設備の大きさ(能力、規模)により、塗装可能な被塗物の大きさ(長さ、巾、高さ、重さなど)が限定されます。大型の鋼構造物や屋外タンクなど大型の被塗物の場合には粉体塗装が出来ない場合がありますので注意が必要です。
現在、粉体塗装が可能な被塗物の最大値は、長さ10m、巾1m、高さ1mくらいと推測されます。
一般の粉体塗装では被塗物の内面の塗装は困難です。例えばタンクや容器の内面や細いパイプの内面などの塗装には問題となる場合があります。但し個々の被塗物向けに内面塗装用の特別な粉体塗装装置を準備すれば、問題なく粉体塗装を行うことが出来ます。 |